結婚内祝いの金額相場とマナー！お返し金額の半返しと相手別ギフト選び

結婚内祝いとは、結婚祝いをいただいた方へ、新郎新婦が新しい門出を迎えたことの報告と、感謝の気持ちを伝えるために贈る品物のことです。 これは単なる「お返し」という行為にとどまらず、喜びや幸せを分かち合う、日本の文化に根ざした大切な習慣とされています。 内祝いという言葉には、「身内で起こったおめでたい出来事を分かち合う」という意味合いが込められています。

内祝いの歴史は古く、元々は身内のお祝い事があった際に、その喜びを分かち合うために親戚やご近所に品物を贈る習慣から始まりました。 現代における結婚内祝いの役割は、結婚祝いをくださった方々への深い感謝の気持ちを形にして伝えることにあります。 同時に、新生活が始まったことを報告し、夫婦としての新たな一歩を応援してくださった方々との絆を深める機会でもあります。 日本の贈答文化において、お祝いを受け取ったら必ずお礼をすることは、良好な人間関係を築き、維持していく上で不可欠なマナーです。 内祝いは単なる金銭的な「お返し」ではなく、「幸せのおすそ分け」という文化的意味合いを強く持っています。 「お返し」という言葉を避け、代わりに「心ばかりの品」や「お礼の挨拶が主」といった表現を用いることで、相手が純粋な祝福の気持ちで贈ってくれたお祝いを、まるで義務的な「返済」や「相殺」のような金銭的な取引と捉えられてしまうことを避ける配慮が込められています。 これは、日本の贈答文化における人間関係の構築と維持に関する深い哲学を反映しており、相手の厚意を尊重し、その真心を損なわないための細やかな気遣いが凝縮されているのです。

内祝いと引き出物は、どちらも結婚に関連する贈り物のため混同されがちですが、その定義と贈る目的が異なります。 内祝いは、結婚祝いをいただいた方へのお礼として、後日改めて贈る品物のことを指します。 これは、結婚披露宴に参列できなかった方や、披露宴とは別に高額なお祝いをくださった方に対して贈られるのが一般的です。 一方、引き出物は、結婚披露宴に参列してくださったゲストに対し、感謝の気持ちを込めて当日会場でお渡しするお土産のことです。 披露宴で提供される食事や引き出物が、参列された方への内祝いの代わりとなることが一般的とされています。 そのため、披露宴に参列してご祝儀をくださった方には、別途内祝いを贈る必要はないとされています。 内祝いを贈る時期は、お祝いをいただいてから1ヶ月以内が目安となります。 引き出物は結婚式当日にお渡しするものです。 このように、贈る時期や対象者が明確に異なるため、それぞれの意味合いを理解し、適切に対応することが大切です。

結婚内祝いの金額相場は、いただいた贈り物の半額から3分の1程度が目安とされています。 これは「半返し」や「3分の1返し」という概念に基づいています。 安すぎるものを贈るのは失礼にあたり、感謝の気持ちが十分に伝わらない可能性があります。 一方で、高すぎるものを贈ることは、相手を委縮させてしまったり、「もらったお祝いが安かった」と誤解されたり、「あなたからのお祝いは要りません」という意思表示と受け取られたりする可能性があるため、避けるべきです。

結婚内祝いの基本的なルールとして、「半返し（半額返し）」と「3分の1返し」があります。 半返しとは、いただいた結婚祝いの金額の50%を目安に返す方法です。 全国的に最も多く用いられるお返しの方法であり、相手に十分な感謝を伝えることができます。 例えば、10,000円のお祝いをいただいた場合は5,000円程度の品物を選びます。 3分の1返しとは、いただいた結婚祝いの金額の30%を目安に返す方法です。 特に高額な祝い金を受け取った際に選ばれることが多いです。 高額な場合でも、贈る側の負担を抑えつつ、相手に失礼のない範囲で感謝を示すことができます。 例えば、100,000円のお祝いをいただいた場合は30,000円程度の品物を選びます。 高額なお祝いは「新生活を応援したい」という厚意が込められていることが多いため、半返しに固執すると、相手に過度な負担をかけたり、その厚意を無にしたりする可能性が生じます。 どちらにするか迷った場合は、半返しを選ぶと安心とされています。 ただし、相手が「お返しは不要」と明確に伝えてきた場合や、両親など非常に親しい関係性の場合は、必ずしも半返しにこだわる必要はありません。 感謝の気持ちを伝えることが最も重要であり、その表現方法の一つとして金額を調整するという考え方が大切です。

もらった結婚祝いの金額に応じた具体的な内祝いの計算例を以下に示します。

上記はあくまで目安であり、選ぶ品物によっては多少前後しても問題ありません。 特に、カタログギフトは金額設定が細かく、予算に合わせて選びやすいため、多くの方に利用されています。 例えば、10,000円のお祝いに対して5,000円のカタログギフトを選ぶ、といった形です。 品物の価格を調べる際は、税込み価格で考えるのが一般的です。 また、送料やのし紙などの費用は、内祝いの金額には含めず、別途考えるようにしましょう。 これらの費用を含めて内祝いの金額を設定すると、実際にお相手に届く品物の価値が予算より低くなってしまう可能性があるためです。 例えば、送料が1,000円かかる場合、5,000円の内祝いを選ぶなら、送料込みで5,000円になるのではなく、品物自体が5,000円相当になるように選ぶのが望ましいです。 相手に失礼なく、かつ無理のない範囲で感謝の気持ちを伝えることが、結婚内祝いの重要なポイントとなります。

結婚内祝いの金額目安は、贈る相手との関係性によって大きく異なります。 基本的な原則として、目上の方から高額なお祝いをいただいた場合は、相手の厚意を汲み取り、無理に半返しにこだわる必要はありません。 3分の1返しを目安にするか、品物以外の方法（新生活への招待など）でお礼を伝えることも検討しましょう。 これは、目上の方からの支援に対して過度な返礼をすることで、かえって相手に負担を感じさせてしまうことを避けるためです。 一方、目下の方やご友人、同僚などからは、半返しがより一般的とされています。 親しい間柄であっても、感謝の気持ちを伝えるという意味で、基本的な相場から大きく外れないようにすることが大切です。 連名でいただいた場合は、一人当たりの金額を算出し、その金額に応じて内祝いの品物を準備するのがマナーです。 それぞれの関係性に合わせた適切な金額設定と品物選びが、円滑な人間関係を築く上で重要となります。

親や祖父母からの結婚祝いは、一般的に高額になる傾向があります。 相場は10万円から30万円、中にはそれ以上のお祝いをいただくことも珍しくありません。 このような高額なお祝いには、「2人の新生活を応援したい」という強い気持ちが込められています。 そのため、内祝いの金額は、無理に半返しにこだわる必要はありません。 3分の1返しを目安に、30,000円から10万円程度を検討するのが適切です。 例えば、10万円のお祝いをいただいた場合は3万円程度、30万円のお祝いであれば10万円程度の内祝いを選ぶことになります。 金額にこだわりすぎず、両親や祖父母が本当に喜んでくれる品物や、記念になるものをプレゼントすることも大切です。 例えば、新婚旅行のお土産を奮発したり、夫婦で食事に招待したり、温泉旅行をプレゼントしたりするのも良いでしょう。 これは、金銭的な返礼だけでなく、感謝の気持ちを形にし、これからも良好な関係を築いていきたいという思いを伝えるためです。 両親や祖父母にとっては、子供や孫が幸せに暮らすことが何よりの喜びであるため、内祝いの金額以上に、感謝の気持ちや新生活の報告を丁寧に伝えることが重要です。

兄弟姉妹からの結婚祝いの相場は、30,000円から50,000円程度が一般的です。 お返しの相場は、半返しが推奨されます。 半返しであれば15,000円から25,000円、3分の1返しであれば10,000円から15,000円が目安となります。 ただし、兄弟姉妹の年齢や立場、結婚しているかどうか、また、これまでのお互いの関係性によって金額を調整することも大切です。 例えば、年下の兄弟姉妹で、まだ経済的に余裕がない場合は、半返しよりも少なめにしたり、品物ではなく食事を奢るなど、柔軟に対応しても良いでしょう。 選びやすいギフトとしては、相手の趣味嗜好に合わせたグルメギフトや、実用性の高い生活雑貨、おしゃれなスイーツなどが人気です。 もし兄弟姉妹が新婚であれば、夫婦で使えるペアの食器や、少し上質なタオルセットなども喜ばれます。 直接会う機会があれば、手渡しで品物を贈り、新生活の報告や感謝の気持ちを直接伝えるのも良いでしょう。

おじ・おば、いとこなど親戚からの結婚祝いの相場は、関係性の深さによって異なりますが、一般的には3万円から10万円程度が多いようです。 お返しの相場は、半返しなら15,000円から50,000円、3分の1返しなら10,000円から30,000円が目安となります。 親戚の中でも、特にお世話になっている方や、年配の方から高額なお祝いをいただいた場合は、無理に半返しにこだわらず、3分の1返しを選択することも適切です。 例えば、おじ・おばから5万円のお祝いをいただいた場合、15,000円から25,000円程度の品物を選ぶのが目安となります。 親戚への内祝いは、今後も親族間の良好な関係を維持していく上で重要な意味を持ちます。 そのため、失礼のないよう、地域の慣習や親戚間の取り決めなども考慮に入れると良いでしょう。 ギフト選びでは、ご家族構成や年齢層を考慮し、皆で楽しめるお菓子や食品、実用的な生活雑貨などが喜ばれます。 個別包装されているものや、日持ちのするものが人気です。

友人や知人からの結婚祝いの相場は、10,000円から20,000円程度が一般的です。 お返しの相場は、半返しが推奨されます。 半返しであれば5,000円から10,000円、3分の1返しであれば3,000円から6,000円が目安となります。 関係性の深さによって調整する際は、親しい友人であれば、相場よりも少し奮発して、相手の好みに合わせた特別な品物を選ぶのも良いでしょう。 一方で、そこまで頻繁に連絡を取り合わない知人であれば、一般的な相場内で実用的なものを選ぶのが無難です。 実際の金額例としては、10,000円のお祝いに対して5,000円程度のカタログギフトやスイーツ、コーヒーセットなどが人気です。 ギフト選びのポイントは、相手のライフスタイルや趣味に合うかどうかを考慮することです。 例えば、お酒好きな友人にはちょっと良いお酒を、美容に関心のある友人にはオーガニックコスメのセットなど、パーソナルな要素を取り入れると喜ばれます。 また、形に残るものよりも、食べ物や飲み物などの「消え物」は、相手に気を使わせずに受け取ってもらえるため、おすすめです。

職場の上司、同僚、部下など、職場の人間関係に応じた内祝いの金額相場とマナーは以下の通りです。 上司からの結婚祝いの相場は、10,000円から30,000円程度ですが、関係性によって金額は変動します。 お返しは半返しが推奨されますが、高額なお祝いをいただいた場合は3分の1返しを選ぶことも適切です。 半返しなら5,000円から15,000円、3分の1返しなら3,000円から10,000円を目安に品物を選びましょう。 上司へのギフトは、オフィスで使える上質なコーヒーや紅茶のセット、高級感のあるスイーツなどが喜ばれます。 同僚からの結婚祝いの相場は、10,000円から20,000円程度です。 お返しは半返しが推奨されます。 半返しなら5,000円から10,000円、3分の1返しなら3,000円から6,000円が目安です。 同僚へのギフトは、個包装のお菓子や、休憩時間に楽しめるドリップコーヒーなどが良いでしょう。 連名でいただいた場合は、一人当たりの金額を算出し、個包装のスイーツやプチギフトを渡すのが一般的です。 職場での贈答におけるマナーとしては、過度な贈り物は避け、あくまで感謝の気持ちを伝えることに重点を置くことです。 また、相手の負担にならないよう、実用性があり、消費できるものが好まれます。 個人的な趣味が強く出るものや、社内で物議を醸しそうなものは避けるのが無難です。

高額な祝い金をもらった場合の基本的な対応方針は、相手の厚意を尊重し、無理に半返しにこだわらないことです。 重要なのは、感謝の気持ちをしっかりと伝え、今後の良好な関係を維持することです。 無理なく対応するためのポイントは以下の通りです。 ・原則として3分の1返しを検討する。 ・品物だけでなく、食事への招待や旅行のプレゼントなど、形に残らない「体験」を贈ることを検討する。 ・丁寧なお礼状やメッセージカードを添えて、心からの感謝を伝える。 ・新婚旅行のお土産などを渡して、気持ちを伝える。 ・お祝いをいただいた方が、今後困った時に何か手助けできることがあれば、積極的に協力する姿勢を見せる。 これらのポイントを踏まえ、相手との関係性や状況に応じて、最も適切と思われる方法で感謝の気持ちを伝えることが大切です。

10万円以上の高額な祝い金に対するお返しは、基本的に「3分の1返し」の原則を適用することが適切です。 これは、相手が新郎新婦の新しい生活を応援したいという気持ちが強く、過度な返礼がかえって相手の負担になる可能性があるためです。 具体的なギフト例としては、上質なカタログギフトがおすすめです。 高額なカタログギフトであれば、普段なかなか手が出せないような高級グルメや、体験型ギフトなども選ぶことができ、相手に喜ばれます。 また、ブランドのペア食器や、上質な家電製品など、実用性があり長く使えるものも良いでしょう。 品物以外にも、新婚旅行のお土産を奮発したり、後日改めてご夫婦で食事に招待したり、旅行をプレゼントしたりすることも、感謝の気持ちを伝える良い方法です。

親からの高額な祝い金は、「これから始まる新生活を経済的に支援したい」という強い親心から贈られることがほとんどです。 そのため、無理に相場通りの内祝いを贈る必要はありません。 感謝の気持ちを伝えることと、親が喜ぶ方法でお返しをすることが重要です。 親から10万円、30万円、中には50万円から100万円といった高額の結婚祝いをいただくことがあります。 このような場合、相場にこだわりすぎず、無理のない範囲で両親が喜ぶ品物や、記念になるものをプレゼントすることを検討しましょう。 例えば、3分の1返しを目安に、旅行券や家電製品、高級な食事券などを贈るのも良いでしょう。 また、高額な内祝いを贈る代わりに、新居への招待や、家族旅行を企画するなど、一緒に過ごす時間を作ることも、親にとってはかけがえのない贈り物となります。 「お返しは要らない」と言われることも多いですが、何かしらの形で感謝の気持ちを伝えることが大切です。 新生活が落ち着いてから、改めてお礼の食事に招待したり、手紙で心からの感謝を伝えたりすることも良いでしょう。 親子の関係性ならではの、より深い感謝の表現を心がけましょう。

複数人から連名で結婚祝いをいただいた場合も、基本的には一人ひとりにお返しをするのがマナーです。 まず、いただいたお祝いの金額を人数で割り、一人当たりの金額を算出します。 その算出した一人当たりの金額に応じて、半返しまたは3分の1返しで内祝いの品物を準備します。 例えば、3人の友人から30,000円の連名祝いをいただいた場合、一人当たり10,000円の計算になります。 その場合、一人当たり5,000円程度の品物（半返し）をそれぞれに贈るのが一般的です。 一人当たりの金額が少額になる場合は、個包装になったお菓子やコーヒー、紅茶のセットなど、プチギフトでお礼をしても良いでしょう。 連名へのお返しの注意点としては、全員に同じ品物を贈るのが基本ですが、もし特定の個人から高額な部分があった場合は、その方には別途、相応のお返しを検討することも必要です。 また、職場の連名の場合、大勢から少額ずつ集めていただいた場合は、個別の内祝いではなく、皆で分けられるお菓子などを贈るのが一般的です。 その際には、お礼のメッセージを添えることを忘れないようにしましょう。

内祝いギフト選びの基本方針は、「相手に喜んでもらえるもの」を選ぶことです。 現代的なトレンドとしては、カタログギフトやスイーツ、コーヒー・紅茶などの「消え物」が非常に人気を集めています。 消え物ギフトが喜ばれる理由は、相手の好みやライフスタイルを気にせず贈ることができ、受け取った側も気兼ねなく消費できるため、負担にならないという点にあります。 また、食べ物や飲み物は、消費期限や保存方法に注意すれば、比較的に贈りやすいジャンルでもあります。 特に、個包装で日持ちのするお菓子や、有名ブランドの食品、地域限定の特産品などは、喜ばれることが多いです。 相手の年齢、性別、家族構成、趣味嗜好を考慮し、相手が「もらって嬉しい」と感じる品物を選ぶことが、感謝の気持ちを伝える上で最も重要です。

予算別のおすすめギフトを以下にまとめました。 上記の表はあくまで一例であり、相手の好みに合わせて柔軟に選びましょう。

3,000円前後

5,000円前後

10,000円前後

30,000円前後

相手の好みに合わせたギフト選びは、感謝の気持ちをより深く伝えるための重要なコツです。 相手の年齢、趣味、ライフスタイルを考慮することで、本当に喜んでもらえる品物を選ぶことができます。 世代別におすすめのギフトジャンルを以下に提案します。 20代〜30代： トレンドに敏感な世代には、おしゃれなカフェギフトカード、人気のコスメブランドのアイテム、SNS映えするスイーツなどが喜ばれます。 また、一人暮らしの方には、少し贅沢なレトルト食品や、キッチングッズも良いでしょう。 40代〜50代： 落ち着いた世代には、上質なグルメギフト（国産牛、有名店の和菓子など）、ワインや日本酒などのお酒、質の良いタオルやバスグッズ、アロマグッズなどが人気です。 仕事で忙しい方には、手軽に楽しめるコーヒーメーカーなども良いかもしれません。 60代以上： 健康志向の高い方には、オーガニック食品、健康茶、フルーツの詰め合わせなどが喜ばれます。 また、趣味を持つ方には、その趣味に合わせたアイテム（園芸用品、読書グッズなど）も良いでしょう。 形に残るものを選ぶ場合は、相手のインテリアに合うか、すでに持っていないかなどを事前にリサーチすることも大切です。 「これを贈れば間違いない」という定番品に加え、相手の「好き」を追求したパーソナルなギフトを選ぶことで、より心に残る内祝いとなるでしょう。

結婚内祝いにおいて、縁起が悪いとされたり、相手に不快感を与えたりする可能性があるため、避けるべき品物がいくつか存在します。 これらは、日本の贈答文化におけるタブーとされており、相手への配慮を示す上で知っておくべき重要なマナーです。 ・刃物（包丁、ハサミなど）： 「縁を切る」ことを連想させるため、結婚というお祝い事には不適切とされます。たとえ高級品であっても避けるべきです。 ・白いハンカチ、日本茶、海苔など： これらは弔事（お葬式など）で用いられることが多いため、お祝い事にはふさわしくありません。白いハンカチには「手切れ」の意味合いも含まれるとされます。 ・割れ物（ガラス、薄手のカップなど）： 「割れる」「壊れる」が「別れ」を連想させるため、縁起が悪いとされます。ただし、小鉢やボンボニエールなど、割れるイメージが少ない食器は贈られるケースもあります。また、近年ではブランド食器やグラスのギフトは人気があります。縁起を気にされる方へは配慮が必要ですが、必ずしもタブーというわけではありません。 ・櫛（くし）： 「苦」「死」を連想させる言葉として縁起が悪いとされています。 ・足元に関する品物（靴、靴下など）： 「相手を踏みつける」という意味合いがあるため、特に目上の方への贈り物としては失礼にあたります。 ・肌着： 「着るものに困っているほど生活が苦しい」と受け取られる可能性があるため、結婚内祝いには適していません。恋人や出産祝い（子どもの肌着）以外では避けるべきです。 ・新郎新婦の写真や名前入りグッズ： 贈る側には思い出深い品物かもしれませんが、受け取る側が使い道に困ることが多いため、親しい関係でない限り避けるのが無難です。ただし、お菓子などの名入れ品は歓迎されることもあります。 ・現金や商品券： 現金をそのまま贈ると、「いただいたお金をそのまま返された」と受け取られる可能性があり、失礼にあたります。特に目上の方には、家計を心配していると誤解されることもあるため避けましょう。ただし、ギフト券も選べるカタログギフトは、相手が自由に選べる利便性から例外的に喜ばれる傾向にあります。 これらのタブーは、単なる迷信ではなく、相手への最大限の配慮と、良好な関係性を長期的に維持しようとする文化的な意思の表れです。

内祝いを贈る際の基本的なマナーは、感謝の気持ちを伝えることにあります。 形式的なものと捉えられがちですが、その根底には相手への敬意と心遣いが重要です。 内祝いを贈る際の全体的な流れを以下に示します。 1.お祝いを受け取る： 結婚祝いを受け取ったら、まずは電話や手紙でお礼を伝えましょう。 2.内祝いの品物を選ぶ： いただいたお祝いの金額と、相手との関係性を考慮し、品物を選びます。 3.のし紙を準備する： 結婚内祝いに適したのし紙（紅白または金銀の結び切り10本）を用意し、表書きと名入れを行います。 4.メッセージカードを準備する： 感謝の気持ちを伝えるメッセージカードを作成します。 5.贈るタイミング： お祝いを受け取ってから1ヶ月以内を目安に贈ります。 6.手渡しまたは配送： 直接手渡すか、配送で送ります。配送の場合は、事前に連絡を入れると丁寧です。 これらのマナーを守ることで、感謝の気持ちがよりスムーズに、そして確実に相手に伝わります。

結婚内祝いは、お祝いを受け取ってからできるだけ早く贈るのがマナーとされています。 一般的な目安としては、お祝いを受け取ってから1ヶ月以内、遅くとも結婚式や入籍日から1ヶ月以内にお届けするのが通例です。 結婚式や披露宴を行わなかった場合でも、お祝いを受け取ったら結婚内祝いを贈るべきです。 お祝いを受け取るタイミングは様々であるため、後で贈り忘れがないよう、日付、贈り主の名前、金額などをノートにリストアップしておくことが推奨されます。 もし内祝いを贈るのが遅れてしまった場合でも、お祝いをもらいっぱなしで連絡しないのは避けるべきです。 大切なのは、遅れたことを言い訳せず、きちんとお詫びをし、誠意を尽くして対応することです。 もし内祝いが遅れそうだと分かった時点で、お祝いへのお礼とともに、お返しが遅れる旨を事前に連絡することが重要です。 連絡なしに遅れると失礼にあたるため注意が必要です。

結婚内祝いを贈る際には、品物だけでなく「のし紙」にも適切なマナーがあります。 のし紙は、贈り物の目的や贈り主を示す大切な要素であり、その選び方や書き方には細かなルールが存在します。 結婚内祝いにかけるのし紙は、以下の特徴を持つものを選ぶのが適切です。 色：「紅白」または「金銀」の水引を選びます。 本数：「10本」の水引を使います。これは夫婦2人分を意味し、固く結ばれて離れないことを示すためです。 結び方：「結び切り」を選びます。一度結ぶと簡単にはほどけない結び方であることから、一生涯の誓いである結婚や、二度と繰り返したくない病気や怪我の快気祝いなどに使われます。 表書き（のし上）は、結婚内祝いを贈る場合は、「内祝」または「寿」「結婚之内祝」と書くのが一般的です。 結婚式当日に引き出物として贈る場合は「寿」と入れることが多く、後日送る結婚内祝いの場合は「内祝」と入れることが多いとされています。 名入れ（のし下）は、新郎新婦の名前を記載します。 夫婦の名前を書く際は、結婚後の姓、もしくは夫婦の連名を記します。 新郎の姓名を書き、その左に新婦の名前を書くのが一般的です。 のし紙には本名を記すのがマナーであるため、結婚内祝いでは正式な本名である新姓を使うのが原則です。 筆記具は、黒墨の毛筆や筆ペンを使用します。 ボールペンで書くのはマナー違反となるため注意が必要です。

結婚内祝いは品物だけでなく、感謝の気持ちを伝えるメッセージを添えることが非常に重要です。 特に宅配便で贈る場合は、直接お礼の言葉を伝えられないため、メッセージカードやお礼状を添えることで、より丁寧な印象を与え、感謝の気持ちが伝わりやすくなります。 メッセージには以下の内容を盛り込むことが基本です。 結婚祝いに対する感謝の言葉：最も大切なのは「ありがとう」の気持ちを伝えることです。いただいた品物への喜びや感想、ご祝儀で何に使ったかなどを具体的に書くと、相手もより一層喜んでくれるでしょう。 内祝いを贈ったことの報告：「心ばかりの品をお贈りします」といった言葉で、内祝いを贈ったことを伝えます。 新しい生活や心境などの近況報告：新婚生活の近況やこれからの抱負を短くてもポジティブに書くと、贈った相手も安心し、喜んでくれます。 今後のお付き合いの挨拶：メッセージの終わりには、「これからもよろしくお願いします」と、今後も良好な関係を続けたい気持ちを伝えましょう。引越しをした場合は「新居にもぜひ遊びに来てください」と書くと、より気持ちが伝わります。 新姓になったふたりの名前（旧姓も括弧書きで記載）：誰からの贈り物か明確にするため、新姓での連名を記載します。必要に応じて旧姓を添える配慮も大切です。 新居の住所や連絡先：引越しをした場合や、今後も連絡を取り合いたい相手には記載します。 以下に、メッセージ文例をいくつか示します。 【友人・知人向け】 〇〇さん 先日は素敵な結婚祝いをありがとう！ 夫婦で大切に使わせてもらいます ささやかですが、感謝の気持ちです ぜひ新居にも遊びに来てね！ これからもどうぞよろしくお願いいたします 新郎新婦の名前（新姓） 【親戚・目上の方向け】 〇〇様 この度は私共の結婚に際し ご丁寧なお祝いをいただき 誠にありがとうございました ささやかではございますが 感謝の気持ちをお贈りいたしました 未熟な二人ではございますが 今後とも末永くよろしくお願い申し上げます 新郎新婦の名前（新姓） 【贈るのが遅れた場合】 拝啓 新緑の美しい季節となりました 〇〇様にはお変わりなくお過ごしのこととお慶び申し上げます 先だっては私どもの結婚に際し、心のこもったお祝いを頂き誠にありがとうございました すぐにでも感謝の気持ちをお伝えすべきだったのですが、新生活の慌ただしさと不慣れな雑事に紛れ、お礼が大変遅れてしまい申し訳ございません 本来ならばお伺いしてお礼を申し上げるべきところ、書中をもってのご挨拶となりますことをお許しください 尚、ささやかな内祝いの品を送らせていただきましたのでご笑納ください 至らない私たちですが、今後とも変わらぬお付き合いのほどよろしくお願い申し上げます 敬具 メッセージを書く際は、忌み言葉（「終わる」「切れる」「離れる」など）や重ね言葉（「しばしば」「たびたび」「重ね重ね」など）は避けましょう。 また、「お返し」という言葉ではなく、「心ばかりの品」や「お礼」と表現すると良いでしょう。

1万円の結婚祝いをいただいた場合、一般的な「半返し」のルールに従うと、5,000円程度のお返しが適切です。 選びやすいギフトとしては、以下のようなものがあります。 ・カタログギフト： 5,000円コースのカタログギフトは種類が豊富で、相手が自由に品物を選べるため非常に喜ばれます。 ・ブランドスイーツ： 有名パティスリーの焼き菓子セットや、人気のチョコレート詰め合わせなど、少し贅沢なスイーツは贈り物として最適です。 ・上質なタオルギフト： 今治タオルなどのブランドタオルは、実用性が高く、品質の良さから定番のギフトです。 ・グルメギフト： 高級レトルト食品、調味料セット、コーヒー・紅茶の詰め合わせなども人気です。 これらのギフトは、贈る相手の好みに合わせて選ぶことで、感謝の気持ちがより伝わりやすくなります。

親から高額な結婚祝いをいただいた場合、その多くは「新生活の足しにしてほしい」「二人を応援したい」という親心からのものです。 そのため、無理に一般的な相場通りの内祝いを贈る必要はありません。 感謝の気持ちを伝える最も大切な方法は、新生活が落ち着いた後に、夫婦揃って直接お礼を伝えることです。 可能であれば、食事に招待したり、温泉旅行をプレゼントしたりするなど、一緒に過ごす時間を贈ることも良いでしょう。 形に残るものとして贈る場合は、3分の1返しを目安に、親の趣味やライフスタイルに合わせた品物を選ぶのがおすすめです。 例えば、旅行券や家電製品、上質なグルメギフトなどが考えられます。 また、新婚旅行のお土産を奮発して渡すなど、ささやかでも心を込めた贈り物も喜ばれるでしょう。 大切なのは、金額よりも感謝の気持ちをどう伝えるかです。 「おかげさまで、こんなに素敵な新生活を送れています」といった具体的な報告を添えることで、親も安心して喜んでくれるはずです。

「お返しは不要です」と言われた場合でも、基本的にお礼の品は用意した方が良いとされています。 これは、昔から「片祝い」と言われ、「縁起が悪いこと」と考えられてきたためです。 相手の本心を見極めるのが難しい場合は、いただいた金額の3分の1程度、または相場よりも少なめのお返しでお礼の気持ちを伝えることが推奨されます。 例えば、相手が「お返しは本当にいらないからね」と念を押してくるようなら、無理に高額なものを贈る必要はありません。 その代わり、後日改めて食事に招待したり、手紙やメッセージカードで心からの感謝を伝えたりするなど、別の形で気持ちを表現しましょう。 新婚旅行のお土産を渡すのも、気兼ねなく受け取ってもらえる方法の一つです。 「お気遣いなく」という相手の言葉を尊重しつつ、それでも感謝の気持ちを伝えたいという新郎新婦の誠意を示すことが大切です。

結婚内祝いは、結婚祝いをくださった方々へ感謝の気持ちを伝え、新しい門出を報告する大切な日本の習慣です。 単なる「お返し」ではなく、「幸せのおすそ分け」という文化的意味合いが込められています。 金額相場はいただいたお祝いの半額から3分の1程度が目安ですが、相手との関係性や状況に応じて柔軟に調整することが重要です。 特に、高額なお祝いには無理に半返しにこだわらず、感謝の気持ちを最優先に考えましょう。 のし紙やメッセージカードの書き方、贈るタイミングなど、細やかなマナーを守ることで、感謝の気持ちがより丁寧に伝わります。 相手の好みに合わせたギフト選びも、喜ばれる内祝いのポイントです。 避けるべきNGアイテムを理解し、失礼のないよう配慮することも大切です。 結婚内祝いを通じて、これまで支えてくださった方々との絆を深め、今後の良好な関係を育んでいきましょう。

結婚内祝いで1万円をいただいた場合、一般的な「半返し」のルールに基づき、5,000円程度のお返しが適切です。

親から10万円の結婚祝いをいただいた場合、無理に半返しにこだわらず、3分の1返しの30,000円程度を目安にするのが一般的です。