出産内祝いのし完全ガイド!書き方・マナーがわかる熨斗の選び方

出産祝いに対するお礼として贈る【出産内祝い】。そして贈答品に欠かせないのが【のし紙】ですが、のし紙はシーンによって選び方や文言の書き方が変わってくることをご存じですか? 今回は、出産内祝いにおける「のし紙」のマナーをご紹介! のし紙の選び方や名前の書き方、内のし、外のしについてなど、基本的なルールを解説します。

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出産内祝いは「のし紙」をかけて贈ろう!

出産のお祝いをくださった方へ向けて、感謝の気持ちを伝える贈り物を【出産内祝い】と言います。 そして贈り物に欠かせないものと言えば【のし紙】。 「のし紙」は、シーンによって少しずつ仕様が変わってくることをご存じですか? こちらの記事では、出産内祝いで使う「のし紙」のマナーについてご紹介。 名前の書き方や「水引」の選び方など、詳しく解説するのでぜひ最後までお読みください。

のし紙の意味と出産内祝いでの役割

のし紙は、日本の贈答文化に深く根ざした伝統的な装飾です。 その起源は、不老長寿の縁起物とされた「熨斗(のし)アワビ」に由来し、これが簡略化され現代ののし紙に印刷されています。 現代ののし紙は、贈り物が正式な品であることを示し、贈る側の丁寧な気持ちを伝える役割を担っています。 出産内祝いでは、のし紙は感謝の気持ちを表すだけでなく、赤ちゃんの名前を正式にお披露目する重要な役割も果たします。 のし紙の下部に赤ちゃんの名前とふりがなを記載することで、贈られた方が赤ちゃんの名前を知り、今後も見守っていただけるようお願いする意味合いが込められています。 これは、新しい家族の誕生を周囲と分かち合い、良好な関係を願う日本ならではの心遣いです。

出産内祝いでのし紙を使う理由とは?

出産内祝いでのし紙を使うのは、主に以下の3つの理由からです。 ・感謝の気持ちの形式化:のし紙は、お祝いをいただいたことへの感謝を、より丁寧で正式な形で伝えるためのものです。口頭や品物だけでは伝えきれない、深い感謝の気持ちを表現できます。 ・贈り物の格式向上:のし紙を掛けることで、贈り物が単なる品物ではなく、慶事の贈答品としての格式が高まります。これにより、贈る側の心遣いや品格を示すことができます。 ・マナーとしての側面:日本の贈答文化において、のし紙は長年にわたり築き上げられてきた大切なマナーです。相手への敬意を表すとともに、社会的な慣習に沿うことで、失礼なくスムーズな人間関係を築く上で不可欠とされています。 これらの理由から、出産内祝いにのし紙を掛けることは、単なる習慣ではなく、贈る側の心遣いと相手への敬意を示す重要な行為と言えるでしょう。

のし紙なしで贈るとどうなる?マナー違反の注意点

のし紙を付けずに内祝いを贈ると、「マナーを知らない」「手抜きだ」という印象を与えかねません。 受け取った側は、感謝の気持ちが十分に伝わらないと感じたり、場合によっては失礼だと不快な気持ちになったりすることもあります。 贈る品物の格式も下がって見えるでしょう。 しかし、ごく親しい友人へのカジュアルな贈り物や、相手から「お返しは不要」と明確に伝えられている場合は、例外的にのし紙を省略することもあります。 この際も、メッセージカードなどで感謝の気持ちを丁寧に伝える配慮が大切です。

出産内祝い向けの「のし紙」の選び方

まずは、「のし紙」の基本的な構成についてご紹介。 「のし紙」は、以下のような要素で構成されています。 ①のし ②水引き ③表書き ④名入れ これらは、贈り物のシーンによってルールが変わってきます。出産内祝いではどのようなルールになるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

①のし

のしとは、「のし紙」の右上にある飾りのことを指します。 もともとは神様へのお供え物として重宝されていた「鮑(あわび)」に由来しており、昔から縁起が良いとされている「生もの」の象徴として贈り物に添えられています。 そのため、「生もの(肉類や海産物など)」ではない贈り物には、「生もの」の象徴である鮑に由来した「のし」を添える、という風習が現在でも残っています。 逆に、贈り物が「生もの」の場合はのしを付けないのが一般的です。 出産内祝いとして、お肉やハム、海鮮や鰹節などの「生もの」を贈る場合は、「のし」のついていない「のし紙」を選ぶように気をつけましょう。

のしの種類と出産内祝いに適したもの

のし紙に用いられる水引(みずひき)には、いくつかの結び方があり、それぞれ意味が異なります。代表的なものに「蝶結び」と「結び切り」があります。 出産内祝いに最適なのは、何度でも結び直せることから「何度繰り返しても嬉しいお祝い事」に適しているとされる蝶結びです。 水引の本数は5本が一般的ですが、より丁寧な印象にしたい場合は7本のものを選ぶこともあります。 一方、結婚祝いや快気祝いなど「一度きりで繰り返さない」ことを願うお祝い事には、一度結ぶと解けにくい「結び切り」が使われます。 出産内祝いでは誤って結び切りを選ばないよう注意が必要です。

のしの正しい位置と向き

のし紙は、品物の正面に、水引が中央に来るようにかけます。 通常は包装紙の上からかける「外のし」で、贈り物の目的が明確に伝わります。 のし紙がずれたり、裏面が剥がれたりしないよう、セロハンテープでしっかり固定し、水引の中心が品物の中央にくるよう調整しましょう。

地域による違いはある?のし選びのポイント

のし紙の習慣は地域によって異なります。 関東では紅白の蝶結びが一般的ですが、関西ではあわじ結びや梅結びも使われます。 特に高額なお祝いには、水引の本数が多く豪華なあわじ結びが選ばれることもあります。 また、地域によってはのし紙の代わりに命名札を使う習慣も見られます。

②水引

「水引(みずひき)」は、贈答品に付けられる飾りひもを指します。 水引の結び方は贈り物の種類によって異なりますが、出産内祝いでは【蝶結び(花結び)】を使うのが正しいマナーです。 蝶結びは何度も結び直せることから、「何回でも起きてほしいおめでたい事」の贈り物に用いられます。出産は何度起きても嬉しいことなので、蝶結びの水引を使いましょう。 出産内祝いでの水引の本数は、おめでたい数とされている【5または7】の奇数本を、また水引の色はおめでたい色とされる紅白や金銀のものを選びます。

③表書き

「御歳暮」「御結婚御祝」など、贈り物の目的を書く部分を表書きと言います。位置としては、のし紙の中央上部に記入します。 出産内祝いの表書きは、「内祝」「出産内祝」と書くのが一般的です。両親などの身内に内祝いを贈るときは、表書きを「御祝」とする場合もあります。

④名入れ

「名入れ」は、「のし紙」の中央下部に贈り主の名前を書くことを指します。 出産内祝いの場合は、名入れには「赤ちゃんの名前」を記載しましょう。 このとき苗字を入れるか悩むかもしれませんが、赤ちゃんの名前は苗字をつけず、下の名前のみ書くのが一般的。 職場で内祝いを贈るときなど、赤ちゃんの名前で贈るのがためらわれるときは、苗字のみを書いても構いません。 名入れは水引の結び目の下に、表書きよりも小さい文字で書きましょう。 お相手が読み方を確認する必要がなくなるよう、赤ちゃんの名前にはふりがなをつけるのがおすすめです。

「のし紙」の書き方のマナー

ここからは、「のし紙」の書くときの注意点を見ていきましょう。 「のし紙」の表書きや名入れを書くときは、下記のような点に気をつけてくださいね。 ・濃い墨の毛筆や筆ペンで書く 「のし紙」に文字を書くときは、毛筆や筆ペンを使うのが正式な形です。 サインペンやフェルトペンで書くことも増えてきていますが、なるべく毛筆や筆ペンを使うほうが望ましいでしょう。 薄い色の字は弔事で用いられる薄墨を連想させるため、お祝い事である出産内祝いでは濃い墨を使いましょう。 ・読みやすい文字で書く 贈り物の目的や贈り主がわかりやすいように、かすれた文字や乱雑な字で書かず、読みやすい文字で書きましょう。 ・楷書体で書く 「のし紙」に文字を書くときは、楷書で書くことが正式なマナーです。行書などの崩し文字を使うのは避けましょう。

のし紙に記入する際の基本ルール

のし紙に名前などを書く際は、いくつかの基本ルールと注意点があります。 ◎基本ルール ・文字の大きさ:表書きの文字(「内祝」など)を最も大きく書き、その下の名前は表書きよりもやや小さめにバランスよく配置します。 ・バランス:全体のバランスを考慮し、空白が多すぎたり、逆に文字が詰め込みすぎたりしないように注意しましょう。 ・筆圧:濃くはっきりと、丁寧な筆圧で書きます。毛筆や筆ペンを使用するのが正式です。 ◎NGな書き方と注意点 ・薄墨で書く:香典返しなどの弔事には薄墨を用いますが、出産内祝いは慶事なので、必ず濃い墨で書きましょう。 ・ボールペンや鉛筆で書く:略式とされ、カジュアルすぎる印象を与えます。毛筆または筆ペンで書くのがマナーです。 ・インクがにじんでいる・かすれている:不注意な印象を与え、失礼にあたります。書き損じのないように、慎重に書きましょう。 ・修正液や修正テープを使う:一度書いたものを修正するのは失礼です。書き損じたら新しいのし紙を使いましょう。 これらの点に注意して、心を込めて丁寧に書くことが大切です。

筆記用具の選び方と書き方のコツ

のし紙の署名には、一般的に毛筆か筆ペンが適しています。サインペンやボールペンはカジュアルな印象を与えるため、慶事には不向きとされます。 ・毛筆:最も正式な筆記用具で、墨の濃淡やかすれで味わい深い文字が書けます。書道に慣れている方におすすめです。 ・筆ペン:手軽に毛筆の雰囲気を再現でき、初心者でも扱いやすいのが特徴です。様々な太さのペン先があるので、用途に合わせて選びましょう。慶事用は墨の色が濃いものを選びます。 美しく書くコツは、事前に半紙などで練習することです。 特に、文字の中心がぶれないように意識し、全体をバランス良く配置すると美しく見えます。 赤ちゃんの名前のふりがなは小さく、読みやすく丁寧に書くことを心がけましょう。

間違えた場合の対処法は?

のし紙を書き間違えたら、基本は新しいものに書き直すのが最も丁寧です。 修正液や二重線はマナー違反なので避けましょう。 もし手元に予備がない場合は、デパートや文具店で購入するか、デパートやギフトショップの専門カウンターに依頼して書いてもらう方法もあります。 オンラインショップでも、名入れサービスを提供している場合があります。

「内のし」と「外のし」の使い分け方

「のし紙」のかけ方には【内のし】と【外のし】があります。まずは、それぞれの違いやメリットを説明しましょう。 ・「内のし」とは? 品物にのしをかけて、その上から包装紙で包む方法。 のし紙が内側に隠れるため、内祝いなど控えめに贈りたいギフトに多く用いられています。 また、郵送でギフトを贈るときも、配送途中で「のし紙」が破れたり汚れたりするのを防ぐため、内のしで贈るのがおすすめです。 ・「外のし」とは? 包装紙の上からのし紙をかける方法。 贈り物ということを強調したい場合や、直接お相手の家を訪問して渡す場合によく見られます。 出産内祝いでは、控えめな印象を与える【内のし】が多く取り入れられているようです。 内祝いはあくまでもお祝いに対するお礼であり、幸せをおすそ分けするという意味合いも持つので、ささやかな贈り物という意味を感じさせる内のしがおすすめです。

「短冊のし」は失礼にあたる?

短冊のしとは何か?通常ののしとの違い

「短冊のし」は、名前のとおり短冊のように細い「のし紙」を指します。 短冊のしは通常の「のし紙」よりも面積が小さく、贈り物の右上に貼って使用するものです。 出産内祝いの品物のサイズが小さく、通常の「のし紙」だと大きすぎて掛けられないときは、短冊のしを使う方法もあります。 ただし、短冊のしはあくまで簡略型のものであるため、目上の方や礼儀を重んじる方への贈り物には避けたほうが無難でしょう。

出産内祝いで短冊のしを使っても良いケース

短冊のしは、以下のような場面で許容されます。 ・小さな贈り物:クッキーやタオルなどのプチギフトや、メインの内祝いに添える場合など、品物が小さく、通常ののし紙をかけるのが難しい場合に便利です。 ・カジュアルな関係性:親しい友人や、気兼ねなくお付き合いしている同僚など、フォーマルさを求められない相手への内祝いに適しています。 ・急ぎの場合や手渡し:急いで準備する必要がある場合や、直接手渡しする際に、通常ののし紙よりも手軽に体裁を整えることができます。 ただし、目上の方や非常にフォーマルな関係性の方へ贈る際は、通常通り全面にかけるのし紙がより丁寧で安心です。

よくある疑問とQ&A

出産内祝いのお返しののしに名前は書きますか?

出産内祝いでは、のし紙の下部に赤ちゃんの名前を書くのが一般的です。 これは、赤ちゃんの名前をお披露目する意味があるためです。 ふりがなも添えましょう。 記載例: 内祝 / 太郎(たろう) ただし、地域によっては親の姓のみを記載し、別に命名札に赤ちゃんの名前を書く習慣もあります。 地域の慣習に従うか、ご両親に相談して決めると良いでしょう。

出産祝いの内祝いのし表書きは?

出産内祝いの表書きは、「内祝」または「出産内祝」が適切です。 どちらを選んでも問題ありませんが、「出産内祝」の方がより具体的に、出産に対するお礼であることが伝わります。 「御礼」も間違いではありませんが、一般的なお礼に使われるため、出産の内祝いでは「内祝」や「出産内祝」を使うのがより丁寧です。 相手との関係性による使い分けは特にありませんが、よりフォーマルな場面では「内祝」が選ばれることもあります。

マナーを守った「のし紙」で出産内祝いを贈ろう

今回は、出産内祝いにおける「のし紙」のマナーをご紹介しました。 選び方ひとつで意味が変化する「のし紙」は、マナーをしっかりと守ってシーンに適した使い方をしたいですね。 最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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