木本硝子株式会社

生半可を許さない江戸切子職人たちが送る、粋で美しいグラス。一口にグラスといっても、百円で買えるものから数十万円のもの、また日本製のものから欧州製、さらにはアジア製のものまで見渡す限りさまざまなグラスが溢れていて、たった一脚を選ぶにも一苦労してしまいます。 素晴らしいと感じられるグラスの条件とは、いったいどんなものでしょう。 カメラが捉えきれないほど磨き抜かれたガラス―――透明であること。木盤研磨、ゴム研磨、バフ掛け。どこまでも続く輝きの追及。きっと目の内側のガラス体が、同じように透き通った美しい同族を探し求める結果なのでしょう。 持つ手がうなずく軽重のバランス―――特化していること。口元でぶれないほどには重く、そっと持ち上がるほどには軽く。終わりのない試行錯誤によって導かれる心地よさは、静かなひとときを五感で味わう、その一瞬のために。 あるいはそうして辿り着いた姿のバランスが目に美しく、滑らかに透き通る表面が指に心地よいのでしょうか。 きっと素晴らしいグラスの条件は、ひとつの答えに満足せず、進化を続けること。 「 伝統は関係ない。流行も関係ない。今までしてきたことを、これからも。 」 頑なに粋で、そして静かに美しいグラスを、どうぞご堪能下さい。